従来の地方債とは違い、厚生年金保険積立金還元融資資金であり国民年金特別融資資金であるという特殊な位置づけにある資金をもとにしている地方債のことをこう呼ぶ。

特別地方債制度の対象になる事業としては、
1.厚生福祉施設などを整備する事業
2.一般廃棄物処理に関する事業
3.住宅に関する事業
4.簡易水道に関する事業
5.病院に関する事業
6.と畜整理に関する事業
7.観光に関する、またはその他事業
とさだめられている。

現在の地方債の制度では、約140兆円にのぼる公的年金にによる積立金は、その全額が資金運用部へ委託され、それを財源として財政投融資をおこなうことになる。

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財務省(大蔵省)、総務省(自治省)のふたつの省は、この一部を地方公共団体がゴミ処理場や厚生福祉施設などの建設に使う資金を得るために発行する「特別地方債」を引き受ける引き受け枠と定め、なかば融資といえるこの措置の決定に厚生労働省(厚生省)の同意を要求している。

また、厚生労働省はゴミ処分場などの建設に必要な資金源として、公的年金の積立金を地方公共団体になかば融資のような形で貸し付ける地方特別債を2001年度以降は撤廃することを協議しはじめた。この撤廃により、地方公共団体が特別地方債によって得ていた約1兆3000億円にのぼる金額の多くを地方債のかさねての発行によって補填することになり、地方債の消化困難をもたらす危険もある。



　　　　　自治省は「当面は郵貯・簡保による直接融資などがあり支障はない」とみているが、地方自治体は安定した資金調達を失うことになる。