民事再生法とは、２０００年(平成１２年)４月に施行された旧和議法に代わる新しいと倒産法である。経営状態が傾いた企業の再建手続きがしやすくなる法律なので、早急な処理によって再建出来る可能性が高くなる。

再建型の倒産処理手続きには、
①和議法に基づく和議
②商法に基づく会社整理
③会社更正法に基づく会社更生
の三種類がある。

②と③に関しては株式会社のみを対象としている。

②は原則的に債権者全員が合意しなければ再建手続きに至らず、③は手続きが厳正な上、企業の再建に関して裁判所に一定の責任があるため事前の相談が必要。再建の見込みが無ければ申請が受理されない場合もある。
そのため、中小企業が再建手続きをする場合は①の和議を用いることが一般的であったが、和議手続きにはいくつかの問題点があるとされてきた。
そこで和議のさまざまな問題点を克服し、再建型倒産手続きの基本法として定められたのが民事再生法である。

民事再生法の特徴は、
①他の倒産処理手続きと比べて申請の条件が緩いため利用しやすい。
②事業が完全に行き詰っていなくても、倒産の可能性があれば申請出来る。
③個人および全ての法人が対象。医療法人、学校法人も対象となっており、個人は事業者に限られていない。
④申請者は債務者本人であるが、債権者も申請出来る。
⑤裁判所は申請を受理した上で再建の可能性を探る
などがある。

和議の場合は申請から再建手続きの開始決定まで３ヶ月から半年を必要としたが、民事再生法では手続きがスピーディーになり、約１ヶ月で手続きが開始されるといわれる。
また、和議では申請と同時に再建計画を提出していたが、民事再生法では再建計画の提出が再建決定後でよくなった。
再生計画の認可に再建額の３／４以上の賛成が必要となる和議と比べ、民事再生法では過半数の賛成で認可されるため計画が通りやすいというメリットもある。
会社更生法では総退陣しなくてはいけない経営者も、民事再生法では申請後も企業に残留出来る。

針穴のような小さな鍵もお任せください！

そごうが金融機関の再建放棄を原則とした自主再建を白紙に戻し、民事再生法の申請を行ったことを切っ掛けに、民事再生法に対する関心が高まった。

信用調査会社・帝国バンクによると、そごうをはじめ２１４社が民事再生法適用の申請を行っている。中小企業向けの手続きとされているが、電炉メーカーである東洋製鋼やノンバンクの日貿信など、大企業でも申請されている。
大企業に民事再生法を適用することには反発があるが、法人も個人も今後は民事再生法での再生手続きが主流になると言われている。

民事再生法を利用した電炉メーカー・東洋製鋼は、同じく電炉メーカーである朝日工業に営業譲渡し、売却した資本を元手に清算手続きを行っている。
このように、民事再生法をうまく利用したＭ＆Ｈなどが新しいビジネスチャンスとして注目を集めている。

鍵修理、鍵交換、困ったときにすぐ解決！御所キートップ

簡単に会社を再建出来るように思える民事再生法だが、再生計画が債権者の承認を得られなかった場合、また債務履行が計画通りに進まない場合は、原則的に破産手続きに移行する。
民事再生法を選択するときには、経営者は破産リスクを念頭に置くべきだという指摘もされている。